2024.04.01

ニュースリリース

社長入社式挨拶

入社おめでとうございます。社員・役員を代表して、心から皆さんを歓迎いたします。
ちょうど40年前、私も当社の入社式に緊張して参加したことを思い出します。
当社は来年創業90年を迎えますが、成長への挑戦の歴史の中で、多くの困難を乗り越えてきました。大きく影響したものを3つ挙げます。

まず、1970年前後の石油化学事業への参入です。
ポリエチレンや塩ビモノマーの製造を開始し、さらに四日市への進出を果たしました。同時にイランの石化プロジェクト(IJPC)への参加を決めたものの、イラン革命と戦争で断念しました。また、オイルショックにより石化事業の収益は悪化し、重油から石炭への燃料転換もこの時期に行いました。

次が、1980年~1990年代の飛躍を求めた中期経営計画です。
新規事業の創出等による売上倍増を目指しましたが、多くが未達に終わりました。1985年のプラザ合意による円高不況、その後のバブル崩壊で経営は厳しくなり、事業の選択と集中、希望退職の実施を余儀なくされました。
その一方、ビニル・チェーンをコア事業化し、新規事業で生き残ったバイオ、ジルコニア、ゼオライトなどが今、当社を支えています。

3つ目は、2000年代のビニル・イソシアネート・チェーン事業の拡大と、2011年の第二塩ビプラントの爆発火災事故です。
第二塩ビプラントは当社ビニル・チェーンの基幹プラントであり、それを失い南陽事業所の残った塩ビプラントも半年以上停止する事態となりました。この事故を受け、設備保全の強化、要員の充実、安全文化醸成など、安全改革に取り組み、現在も実行中です。

そして今、当社は新たな困難に立ち向かっています。それは「成長」と「脱炭素」の両立を実現することです。
今日入社した皆さんが、この非常に困難だが、間違いなく“やりがい”のある目標に挑戦することを大いに期待しています。
そこで、これから仕事を始めていく皆さんに心がけてほしいことを3つ申し上げます。

常にポジティブに考えてほしい
これは、コリン・パウエル元アメリカ国務長官の著書「リーダーを目指す人の心得」の自戒13ヶ条にあるものです。「やればできる」、「何事も思うほどに悪くない」と思い行動してみてください。
目の前の人を喜ばせよう
夢を持つことは大事だとよく言われます。ただし、まだ夢が見つからない人は、これから一緒に仕事をする「目の前の人を喜ばせる」ことから始めると良いと思います。それを続けていけば、その人から見てあなたはかけがえのない人にいつかなるはずです。
いつかのために日々鍛錬
仕事のほか、英語や資格など、自分を成長させる努力をコツコツと続けてみてください。途中でやめても、また始めればいいのです。

最初に40年前の入社式の話をしました。当時受けた訓示を挨拶の締めくくりとして一部を皆さんに紹介します。
「皆さんは今日まで、学業の厳しい跳躍台を次々と見事に踏み越えてきました。この定められた跳躍台も今日のこの緊張の瞬間を最後に無くなります。社会の跳躍台には予見されるものはありません。今日からは自分自身で仕事の中に跳躍台を設営しなければなりません。自分の心の中に見えない跳躍台を作り、不安、緊張、決心、感動、反省の反復を行い、跳躍台を逐次高めて挑戦することで、自らを高め、結果、上司や仲間の信頼を得るに至るでしょう。皆さんがこの見えない跳躍台に留意して、将来社業の一翼を担って欲しいと念願します」