基本的な考え方
東ソーは、企業価値を継続的に向上させるため、経営環境の変化に迅速に対応できる効率的な組織体制を構築するとともに、公正で透明性の高い健全な企業経営に努めています。コーポレートガバナンス・コードの趣旨や精神を尊重するとともに、東ソーにとって最適なコーポレートガバナンスのあり方を継続的に追求しています。
コーポレートガバナンス強化の変遷
コーポレートガバナンス体制
体制図(2024年6月末現在)
機関の概要(2024年6月末現在)
機関 | 構成メンバー | 2023年度実績(開催頻度) |
---|---|---|
取締役会 | 9人(うち4人は社外取締役) 議長は社長 | 15回 (1~2回/月) |
監査役会 | 4人(うち3人は社外監査役) | 15回 (1~2回/月) |
指名・報酬諮問委員会 | 6人(うち4人は社外取締役) 委員長は社外取締役 | 11回 |
経営会議 | 7人(執行役員を兼務する取締役ならびにセクター長) 議長は社長 | 24回 (原則1回/週) |
取締役会
取締役会は、社外取締役4人(うち女性2人)を含む取締役9人(2024年6月末現在)で構成しており、原則として月1回以上開催しています。法令、定款、取締役会規則などに基づき、経営計画、事業戦略、その他経営に関する重要事項を決定するとともに、各取締役および執行役員による職務執行を監督しています。また、執行役員の選任、解任および業務執行の分担は取締役会の決議により、決定しています。
2023年度の取締役会において議論された主な事項
- 経営戦略・連結経営・CSRに関する事項
- 決算・財務・保証に関する事項
- 人事・組織改正に関する事項
- 各組織の運営に関する事項
- 内部統制・監査・コンプライアンスに関する事項
- 個別案件に関する事項
- その他法令に定められた事項
取締役会の出席状況(2023年度)
氏名 | 役職 | 取締役会への出席状況 |
---|---|---|
桒田 守 | 代表取締役社長 社長執行役員 | 100% (15回/15回) |
田代 克志※1 | 代表取締役 専務執行役員 | 100% (3回/3回) |
安達 徹 | 代表取締役 常務執行役員 | 100% (15回/15回) |
米澤 啓※1 | 取締役 常務執行役員 | 100% (3回/3回) |
土井 亨 | 取締役 常務執行役員 | 100% (15回/15回) |
𠮷水 昭広※2 | 取締役 常務執行役員 | 100% (12回/12回) |
亀崎 尊彦※2 | 取締役 常務執行役員 | 100% (12回/12回) |
阿部 勗 | 取締役(社外)独立役員 | 100% (15回/15回) |
三浦 啓一※1 | 取締役(社外)独立役員 | 100% (3回/3回) |
本坊 吉博 | 取締役(社外)独立役員 | 100% (15回/15回) |
日高 真理子 | 取締役(社外)独立役員 | 100% (15回/15回) |
中野 幸正※2 | 取締役(社外)独立役員 | 100% (12回/12回) |
河本 浩爾※1 | 常勤監査役 | 100% (3回/3回) |
米澤 啓※2 | 常勤監査役 | 100% (12回/12回) |
岡山 誠 | 常勤監査役(社外)独立役員 | 100% (15回/15回) |
寺本 哲也 | 監査役(社外)独立役員 | 100% (15回/15回) |
尾﨑 恒康 | 監査役(社外)独立役員 | 100% (15回/15回) |
- 2023年6月23日に退任しました。
- 2023年6月23日に就任しました。
監査役会
監査役会は企業経営に精通する、もしくは法務、財務および会計に関する相当程度の知見を有する社外監査役3人を含む監査役4人(2024年6月末現在)で構成しており、原則として月1回以上開催し、取締役の職務の執行について監査しています。各監査役は、監査役会が定めた監査の方針、職務の分担に従い取締役会やその他重要な会議に出席し、取締役および使用人などからその職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求め、重要な決裁書類などを閲覧し、本社や主要な事業所において業務・財産の状況を調査しています。
また、グループ会社については、グループ会社の取締役および監査役などと意思疎通や情報の交換を図り、必要に応じて業務の報告を受けています。なお、監査役の職務遂行機能の強化を図るため、監査役会に監査役会事務局を設置しています。
監査役会の出席状況(2023年度)
氏名 | 役職 | 監査役会への出席状況 |
---|---|---|
河本 浩爾※1 | 常勤監査役 | 100% (3回/3回) |
米澤 啓※2 | 常勤監査役 | 100% (11回/11回) |
岡山 誠 | 常勤監査役(社外)独立役員 | 100% (15回/15回) |
寺本 哲也 | 監査役(社外)独立役員 | 100% (15回/15回) |
尾﨑 恒康 | 監査役(社外)独立役員 | 100% (15回/15回) |
- 2023年6月23日に退任しました。
- 2023年6月23日に就任しました。
社外取締役および社外監査役(社外役員)
会社の業務執行に対する中立的・客観的視点からの監視機能による適切なガバナンス体制を維持するため、独立性が確保され、幅広い経験・見識を有する社外役員を選任しています。東ソーでは独自の「社外独立性判断基準」を設定し、当該基準に照らし合わせて独立性が確保されていることを判断しています。
社外役員は取締役会などに出席し、定期的に説明や報告を受けることで、監督・監査を実施しています。
社外独立性判断基準
当社は、以下の社外独立性判断基準に掲げる事項に全て該当しない場合、独立性を満たしていると判断しております。
- 当社及び子会社の業務執行取締役、執行役、執行役員、又はその他使用人に過去10年以内に就任したことがある者
- 当社を主要な取引先とする者(当社に対して製品若しくはサービスを提供しており、その取引額が当該取引先の直近事業年度における年間連結総売上高の2%超に相当する金額となる取引先)の業務執行取締役、執行役、又は執行役員
- 当社の主要な取引先(当社が製品若しくはサービスを提供しており、その取引額が当社の直近事業年度における年間連結総売上高の2%超に相当する金額となる取引先)の業務執行取締役、執行役、又は執行役員
- 当社の役員報酬以外にコンサルタント、会計専門家又は法律専門家として当社から年間1,000万円以上の金銭その他財産上の利益を得ている者
- 上記(2)〜(4)までに過去3年以内に該当していた者
- 上記(1)〜(5)までに該当する者の二親等内の親族
社外取締役および社外監査役のサポート体制
- 1.社外取締役のサポート体制
- 社外取締役に対しては、事務局より取締役会に付議される議案などの内容について事前に説明しています。また、重要会議の審議内容について、所管部署より定期的に報告を実施するほか、国内外拠点の視察および会計監査人とのミーティングの場を設けています。
社外取締役は、これらの取り組みを通じて事業への理解を深めるとともに、課題やリスクを把握し、これらをもとに取締役会において発言を行っています。 - 2.社外監査役のサポート体制
- 社外監査役に対しては、監査役会において、常勤監査役が経営会議などの重要な会議の内容や往査の結果など、日常的な監査を通じて得られた情報の報告・共有を行っており、必要に応じて国内外拠点における監査役監査に同席しています。また、取締役会の開催に際しては、常勤監査役より取締役会に付議される議案などの内容について事前に説明しています。その他、会計監査人および内部統制委員会とのミーティングを行い、監査計画の進捗および結果について、報告を受けています。
社外監査役は、これらの取り組みを通じて、適切な監査に寄与しています。
執行役員
経営の意思決定および監督機能と業務執行機能を分離することで、意思決定の迅速化・効率化を図るとともに、業務執行の役割と責任の明確化を進め、経営環境の急激な変化に対応できる経営体制を構築することを目的として、執行役員制度を導入しています。2024年6月末現在の執行役員は28人で、うち5人は取締役兼務者となっています。
指名・報酬諮問委員会
コーポレートガバナンス強化の一環として、取締役、監査役、執行役員の指名・報酬等に関する公正かつ透明性の高い手続きを行うため、2019年6月に指名・報酬諮問委員会を取締役会の諮問機関として設置しました。同委員会は社外取締役4人を含む取締役6人(2024年6月末現在)で構成しており、委員長は社外取締役が務めています。
その審議事項は、次の通りです。
- 取締役候補および監査役候補の指名に関する株主総会議案事項
- 代表取締役の選定・解職に関する事項
- 役付取締役の選定・解職に関する事項
- 業務執行取締役の選定・解職に関する事項
- 執行役員の選任・解任に関する事項
- 役付執行役員の選定・解職に関する事項
- 代表取締役社長の後継者計画(育成を含む)に関する事項
- 取締役、執行役員の報酬等に関する事項
- その他指名・報酬に関する事項
経営陣幹部の選任(選定)基準及び取締役候補の指名基準
- 心身ともに健康であること
- 人望、品格、倫理観を有していること
- 経営陣としてのリーダーシップを有していること
- 誠実な職務遂行に必要な意思と能力を有していること
- 経営に関して客観的判断能力を有していること
- 社外取締役については、出身の各分野における実績と深い見識を有していること
監査役候補の指名基準
- 心身ともに健康であること
- 人望、品格、倫理観を有していること
- 経営全般にわたり幅広い経験・見識を有していること
- 取締役会に対して有益な助言や提言が行えること
- 社外監査役については、出身の各分野における実績と深い見識を有していること
経営陣幹部の解任(解職)基準
- 経営陣幹部がその任期中に選任(選定)基準の条件のいずれかを満たさなくなった場合
- 執行役員規定に記す解任基準(執行役員に不正あるいは不当な行為があった場合、または執行役員として適格性に問題があると認められた場合)を満たす場合
役員報酬等
- (1)報酬額などの算定方法の決定方針
- 企業業績と企業価値の持続的な向上、および優秀な人材の確保を目的とした報酬体系とすることを基本方針としています。
役員の報酬は、株主総会で決議された報酬総額の範囲内で決定することとしています。
当社の取締役報酬等に関する株主総会の決議年月日は2024年6月21日であり、決議の内容は、取締役の報酬等の総額を年額6億70百万円以内(この額は①現金報酬部分5億90百万円〔うち社外取締役80百万円以内〕、②社外取締役を除く取締役に対する株式報酬部分80百万円とし、使用人兼務役員の使用人分給与および賞与を含まない。)とするものです。なお、決議時の取締役の員数は9名(うち社外取締役4名)であります。また、当社の監査役報酬等に関する株主総会の決議年月日は2024年6月21日であり、決議の内容は、監査役の報酬等の総額を年額1億20百万円以内とするものです。なお、決議時の監査役の員数は4人(うち社外監査役3名)であります。 - (2)取締役の個人別報酬等の決定方針
-
基本方針に基づく具体的内容は以下の通りです。
- 固定報酬の額の算定方法の決定に関する方針
固定報酬は、役位の対価と捉え、外部機関が集計している経営者報酬の調査結果における報酬水準等を考慮して、役位ごとに決定する。 - 業績連動報酬に係る業績指標の内容及び業績連動報酬の額の算定方法の決定に関する方針
業績連動報酬は、経常的な営業活動に財務活動を加えた事業全体の成果を表す業績指標として前事業年度の連結経常利益を業績指標とし、その額は、外部機関が集計している経営者報酬の調査結果における報酬水準等を考慮して決定する固定報酬との比率及び業績連動幅に基づき、役位ごとに決定する。
(報酬金額決定にあたっての具体的な指標は定めていない。)
なお、2024年4月23日開催の取締役会において、2024年7月より、上記の経常的な営業活動に財務活動を加えた事業全体の成果を表す業績指標として前事業年度の連結経常利益を用いる業績連動報酬に加え、株主への利益還元を表す業績指標として前事業年度決算に基づく1株当たりの年間配当金を用いる業績連動報酬、また、持続可能な社会への貢献を推進するための業績指標として前事業年度の当社CSR重要課題のKPI達成度合を用いる業績連動報酬を導入することといたしました。 - 非金銭報酬(株式報酬)の内容及び非金銭報酬の数の算定方法の決定に関する方針
非金銭報酬である譲渡制限付株式の割り当ては、貢献度等諸般の事項を総合的に勘案して、役位ごとに決定する。 - 固定報酬、業績連動報酬、非金銭報酬の額の取締役の個人別報酬等の額に対する割合の決定に関する方針
個人別報酬等の額に対する、固定報酬、業績連動報酬、非金銭報酬(株式報酬)の割合は、外部機関が集計している経営者報酬の調査結果における報酬水準等を考慮して、役位ごとに決定する。また、社外取締役は、その役割と独立性の観点から、固定報酬のみとする。 - 取締役に対し、報酬等を与える時期又は条件の決定に関する方針
固定報酬及び業績連動報酬は毎月支給する。固定報酬は当年度の役位に基づき、また、業績連動報酬は前年度の業績に基づき、当年度の報酬として毎月支給する。非金銭報酬である譲渡制限付株式報酬は、割当契約書に基づき、譲渡制限が付された株式を毎年割り当て、退任時に譲渡制限を解除する。 - 上記以外の取締役の個人別報酬等の内容についての決定方法
取締役の個人別報酬等については、過半数を独立社外取締役で構成する指名・報酬諮問委員会の答申を踏まえて、取締役会にて決定する。
- 固定報酬の額の算定方法の決定に関する方針
- (3)監査役の報酬の決定方法
- 監査役の報酬は、その役割と独立性の観点から、固定報酬のみとしており、監査役会にて決定する。
取締役会、指名・報酬諮問委員会の活動
2023年度における役員の報酬等の額の決定過程における活動は、取締役会を3回、指名・報酬諮問委員会を8回開催しました。取締役報酬制度の見直し、取締役の報酬等の額の改定などについて、指名・報酬諮問委員会の答申を踏まえて、取締役会にて決定しています。
2023年度の役員報酬総額
役員区分 | 報酬等の総額 (百万円) | 報酬等の種類別の総額(百万円) | 対象となる役員の 員数(人)※ | ||
---|---|---|---|---|---|
固定報酬 | 業績連動報酬 | 非金銭報酬等 | |||
取締役 (うち、社外取締役) | 361 (48) | 236 (48) | 102 (―) | 22 (―) | 12 (5) |
監査役 (うち、社外監査役) | 69 (45) | 69 (45) | ― | ― | 5 (3) |
- 2023年6月23日開催の株主総会終結の時をもって退任した取締役3人および監査役1人を含んでいます。
経営会議
経営会議は、執行役員を兼務する取締役ならびにセクター長の7人(2024年6月末現在)で構成しており、原則として週1回開催しています。取締役会の付議事項に関する事前審議およびグループ経営全般に関わる重要案件を審議し、適正かつ効率的な経営の意思決定を可能にする体制を構築しています。
経営連絡会
経営連絡会は、取締役(社外取締役を含む)・監査役・事業部長・関連部室長などで構成しており、原則として月2回開催しています。各部門の事業状況報告、稟議事項に関する説明およびその他の重要事項の連絡を行っています。
全社委員会の概要
コーポレートガバナンスを有効に機能させるため、各種委員会を設置しています。なお、各種委員会は、取締役会に定期的な上程・報告を行っています。
委員会 | 概要 | 2023年度 開催実績 |
---|---|---|
CSR委員会 | 社長執行役員を委員長とし、経営会議メンバー、本社管理部門長、全社委員会委員長で構成され、CSR活動方針の策定、CSR重要課題の進捗管理などを行っています。また、CSR活動に関わる具体的事案とその対応策に関する報告と審議を行っています。 | 2回 |
内部統制委員会 | 常務執行役員を委員長とし、「金融商品取引法」の財務報告に係る内部統制報告制度と会社法の求める内部統制システムの整備への対応に取り組んでいます。また、定期的に内部統制の整備や運用状況の評価・是正を行っています。 | 4回 |
コンプライアンス 委員会 | 常務執行役員を委員長とし、コンプライアンス体制の構築、教育などの諸施策の策定と内部通報制度の運用に取り組んでいます。また、定期的にコンプライアンス推進計画や内部通報制度の運用状況の評価・是正を行っています。 | 2回 |
RC委員会 | 常務執行役員を委員長とし、RC活動推進のための体制構築、RC年度方針などの策定に取り組んでいます。また、各部門の活動を把握するためにRC監査を定期的に実施しています。 | 1回 |
輸出管理委員会 | 代表取締役を委員長とし、安全保障輸出管理規程に定める基本方針「外国為替及び外国貿易法」の遵守に関する諸施策の策定を行っています。また、輸出部門の長を現業部門の責任者として配置しています。 | 1回 |
独占禁止法遵守 委員会 | 常務執行役員を委員長とし、「独占禁止法」「下請法」の遵守に関する社内規程やマニュアルの整備およびその実践に係る施策の策定を行うとともに、事務局による社内教育研修を通して周知徹底を図っています。また、法遵守に関わる具体的事案とその対応策に関する報告と審議を行っています。 | 1回 |
CO₂削減・有効利用 推進委員会 | 社長執行役員を委員長とし、技術とコストの両面から、CO₂削減や有効利用に関する重要課題の企画、方針策定を実施しています。また、定期的に企画に関わる具体的事案とその対応策に関する報告と審議を行っています。 | 2回 |
サイバーセキュリティ 委員会 | 常務執行役員を委員長とし、製造・R&D・保安・設備管理・IT・監査部門長で構成され、サイバーセキュリティ全般に関わる各種政策策定、進捗管理などを行っています。また、定期的に具体的事案の対応状況の評価とその対応策に関する報告と審議を行っています。 | 2回 |
取締役会全体の実効性についての分析・評価
取締役会の実効性の評価は、客観性・透明性を確保するため、外部機関の助言を受け、取締役および監査役に対し、取締役会の構成や運営などの項目について、アンケート調査を行う方法で実施しています。
2023年度の取り組みおよび評価結果の概要は以下の通りです。
- 【2023年度に実施した取り組み】
-
- 機関投資家から寄せられる意見・要望に対して、経営サイドとしてどのように対応していくかについて、管理部門(総務部)からの報告テーマに基づいたフリーディスカッションを2月に実施しました。
- 2023年7月取締役会より、機能商品セクター長、石油化学セクター長が常時陪席し、担当セクターに関係する案件説明を行っています。
- 【2023年度の評価結果および今後の取り組み】
-
- (評価結果)
- アンケートの回答結果を踏まえ、分析・評価した結果、現状、当社の取締役会は、取締役会全体としてその役割・責務を概ね実効的に果たしているとの評価に至りました。
-
<役割・責務を概ね実効的に果たしていると判断した理由>
- 知識・経験・専門性・職歴・ジェンダーなどの観点で多様性を備え、社内外のバランスの取れた取締役構成の継続
- 必要十分な報告に基づく適切なリスク管理および業務執行の監視・監督の継続
- 取締役会の適正な運営(開催頻度、付議範囲、審議時間、資料分量・配布時期など)の継続
- (今後の取り組み)
- ESGへの対応やCSRの取り組み、事業ポートフォリオの方針などについては一定の議論はできているとの意見がある一方で、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組みについては一層の議論が必要との意見も寄せられており、引き続き検討していきます。
企業を取り巻く環境の変化、取締役会への社会的要請を踏まえ、今後議論すべきテーマについて自由意見記入欄にて意見を求めており、寄せられたテーマについては、喫緊の課題と照らし合わせ、議論テーマに取り上げていきます。
今後も引き続き、分析・評価結果に基づく取り組みを不断に行っていくことで、東ソーグループの持続的な成長・企業価値の向上に資するように努めていきます。
取締役・監査役一覧(2024年6月21日以降)
氏名 | 役職 |
---|---|
桒田 守 | 代表取締役社長 社長執行役員 |
安達 徹 | 代表取締役 専務執行役員 |
土井 亨 | 取締役 常務執行役員 |
𠮷水 昭広 | 取締役 常務執行役員 |
亀崎 尊彦 | 取締役 常務執行役員 |
本坊 吉博 | 取締役(社外)独立役員 |
日高 真理子 | 取締役(社外)独立役員 |
中野 幸正 | 取締役(社外)独立役員 |
橋寺 由紀子 | 取締役(社外)独立役員 |
米澤 啓 | 常勤監査役 |
岡山 誠 | 常勤監査役(社外)独立役員 |
寺本 哲也 | 監査役(社外)独立役員 |
尾﨑 恒康 | 監査役(社外)独立役員 |
役員のスキル・マトリックス
役員 | 企業経営 | 財務・会計 | 法務・コンプライアンス・リスクマネジメント | 営業・マーケティング | 製造・研究開発・テクノロジー | 国際性・多様性 | 人事・労務 | 環境・社会 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
取締役 | 桒田 守 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
安達 徹 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
土井 亨 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||
𠮷水 昭広 | ○ | ○ | ○ | ||||||
亀崎 尊彦 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||
本坊 吉博 | ○ | ○ | ○ | ○ | 〇 | ||||
日高 真理子 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||
中野 幸正 | ○ | ○ | 〇 | ○ | |||||
橋寺 由紀子 | ○ | ○ | 〇 | ○ | 〇 | ||||
監査役 | 米澤 啓 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
岡山 誠 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||
寺本 哲也 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||
尾﨑 恒康 | ○ | ○ | ○ |
- 役員が有するすべてを表すものではありません。
内部統制
東ソーでは、コーポレートガバナンスが有効に機能するためには、内部統制システムの構築が必要不可欠であると考えており、取締役会決議にて「内部統制システムの整備に係る基本方針」を制定しています。金融商品取引法の財務報告に係る内部統制報告制度と会社法の求める内部統制システム整備への対応に取り組んでおり、定期的に内部統制の整備や運用状況の評価・是正を行っています。
内部統制システムの整備についての基本方針
- (1)取締役・使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
-
- コンプライアンスに係る規程を制定し、取締役・使用人の規範となる行動指針を定めるとともに、その徹底を図るため、コンプライアンス委員会を設置し、社内教育を含めた全社横断的な取組みを行う。
- 内部通報制度を設け、常にその実効性の確保に努める。
- 監査部門が、コンプライアンスの実践状況につき、監査を行う。
- (2)取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
-
- 取締役の職務の執行に係る文書その他の情報については、社内規程に従い、適切な保存及び管理を行う。
- 取締役及び監査役は、常時これらの文書を閲覧できるものとする。
- (3)損失の危険の管理に関する規程その他の体制
-
- 生産活動や販売活動の遂行に関連する各種リスクに対応するため、規程を制定し、リスク管理体制を整備する。
- 日常の各事業活動における個々のリスクに対する管理については、担当取締役の下で各部門が自立的運営を行う。
- (4)取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
-
- 事業運営に係わる重要事項については、社内規程に従い、経営会議の審議を経て、取締役会において執行決定を行う。
- 取締役・監査役・事業部長・関連部室長等によって構成される経営連絡会において各部門の事業状況報告、稟議事前説明及びその他の重要事項の連絡を行う。
- (5)当社企業集団における業務の適正を確保するための体制
-
- 子会社の管理運営に関する規程を制定し、その適正な運用を図る。
- 子会社から、定期的又は適宜に事業運営に係わる報告を求める。
- 子会社毎に責任部門を定めて子会社の事業運営の管理を行うとともに、子会社に取締役や監査役を派遣して、子会社におけるリスク管理及び効率的な業務執行のための助言・指導を行う。
- 東ソーグループとしてのコンプライアンスに係わる行動指針を定め、これを周知する。
- 総務、法務関連部門によるグループ横断的なコンプライアンス活動、RC(レスポンシブルケア)活動等を行う。
- 監査部門が子会社に対して監査を行う。
- (6)監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項及び当該使用人の取締役からの独立性、監査役の当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
-
- 監査役の職務を補助するため、監査役会の下に監査役会事務局を設置し、専任の使用人を配置する。
- 当該使用人は、監査役から直接指揮命令を受けるものとする。
- 当該使用人の人事については事前に監査役会と協議を行い、その承認を得る。
- (7)取締役及び使用人が監査役に報告するための体制その他監査役への報告に関する体制
-
- 取締役及び使用人は、職務執行状況等について取締役会等の重要な会議を通じて、適宜適切に監査役に報告する。
- 重要な決裁書類及び諸会議の議事録を監査役に回付する。
- 取締役及び使用人は、監査役の求めに応じ、定期的又は適宜に必要な報告を行う。
- 内部通報制度の窓口が受付けた通報内容は監査役に報告するものとする。
- 監査役を内部通報制度における通報先の一つとする。
- 内部通報制度の通報者が、通報したことを理由として不利益な取扱いを受けないよう、規程に定める。
- (8)子会社の取締役等、監査役及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が監査役に報告をするための体制
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- 子会社から受けた事業運営に係わる報告については、適宜監査役に報告する。
- 子会社の取締役等に対し、適宜当社の監査役に報告するよう要請する。
- 内部通報制度においては、子会社に係わる通報及び子会社からの通報も受付けるものとする。
- (9)監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係わる方針に関する事項
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- 監査役が職務の執行上必要と認める費用または債務の処理について、会社に請求することができるものとする。
- (10)その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
-
- 監査役と代表取締役との会合を定期的に行い、経営全般に亘る事項について意見交換を行う。
- 監査役と監査部門との情報交換を定期的に行い相互の連携を図る。
業務を適正に確保するための体制の運用状況の概要
- (1)取締役・使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
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- コンプライアンス規程その他コンプライアンスに係わる規程を制定するとともに、東ソーグループの全役員、従業員を対象とした行動指針を定めております。
- コンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンス推進のための活動を行っております。
- 内部通報制度を設け、通報者が通報したことを理由として不利益な取扱いを受けないよう運用基準等に定めており、受付けた通報に対しては誠実に対応しております。
- 監査部門が、コンプライアンスの実践状況を監査しています。
- (2)取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
-
- 文書基本規程その他の規程を制定し、文書・情報の適切な保存及び管理に努めており、取締役及び監査役は、常時これらの文書を閲覧できるようになっています。
- (3)損失の危険の管理に関する規程その他の体制
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- 生産活動の遂行に関連する環境保安管理規程、災害対策規程、品質マネジメント規程、購買管理規程、販売活動の遂行に関連する販売管理規程、デリバティブ取引管理規程、個人情報取扱規程の他、コンプライアンス関連規程を定め、各種リスクへの対応を図っております。
- 取締役会その他の会議で各種リスク対応について、議論しています。
- (4)取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
-
- 取締役会は月一回、経営会議は毎週、経営連絡会は月二回の開催を原則として運営し、取締役の職務の執行が効率的に行われるよう努めております。
- (5)当社企業集団における業務の適正を確保するための体制
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- 関係会社運営規程を制定し、子会社毎に責任部門を定めて子会社の事業運営の管理を行っております。また、子会社に取締役や監査役を派遣し、子会社の取締役会に出席しています。
- 子会社から文書や会議形式により事業運営に係わる報告を受けております。
- 東ソーグループの全役員、従業員を対象とした行動指針を定めるとともに、総務部、法務・特許部、人事部、経営管理室、環境保安・品質保証部等がグループ横断的なコンプライアンス活動、RC(レスポンシブルケア)活動を行っています。
- 監査部門が子会社に対して監査を行っています。
- (6)監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項及び当該使用人の取締役からの独立性、監査役の当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
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- 監査役会事務局を設置し、専任の使用人を配置しております。なお、当該使用人の人事については事前に監査役会と協議を行ってその承認を得ており、当該使用人は、監査役から直接指揮命令を受けています。
- (7)取締役及び使用人が監査役に報告するための体制その他監査役への報告に関する体制
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- 取締役及び使用人は、職務執行状況等を取締役会等の重要な会議を通じ、また、監査役の求めに応じて監査役に報告しております。
- 重要な決裁書類及び諸会議の議事録を監査役に回付しています。
- 内部通報制度において監査役を内部通報制度の通報先の一つとするとともに、他の窓口が受付けた通報内容を監査役に報告しています。また、内部通報制度の通報者が、通報したことを理由として不利益な取扱いを受けないよう、内部通報制度の運用基準に定めております。
- (8)子会社の取締役等、監査役及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が監査役に報告をするための体制
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- 子会社から受けた事業運営に係わる報告文書は、適宜監査役に回付しております。また、子会社の取締役等は、適宜当社の監査役に報告しております。
- 内部通報制度において、子会社に係わる通報及び子会社からの通報も受付けており、直接又は受付窓口を通じて監査役に報告されます。
- (9)監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係わる方針に関する事項
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- 監査役が職務の執行上必要な費用について予算計上しております。
- 監査役が請求する費用の前払又は償還に応じております。
- (10)その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
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- 監査役と代表取締役との会合を定期的に行い、経営全般に亘る事項について意見交換を行っています。
- 監査役と監査部門との情報交換を定期的に行っています。
内部監査
東ソーでは、内部統制のモニタリング活動のひとつとして、監査役監査、会計監査人監査とは別に、内部監査専門部署として監査室を設置して監査を実施しています。監査室は、年間監査計画に基づき、監査対象先の適用法令や社規などの遵守状況および内部統制システムの整備・運用状況の有効性と効率性を評価しています。監査結果については、代表取締役社長および監査役に報告し、監査実施状況を定期的に取締役会に報告しています。
監査室は、内部統制機能を有する部署やグループ会社の事業責任部門へのヒアリングを実施してリスクの洗い出しを行うなど、監査の効率性と実効性の向上を図っています。監査対象は約100部門(製造部、研究所、支店、国内外グループ会社など)で、定期的に監査しています。また、会計監査人とは、適宜情報交換・意見交換を実施しています。
政策保有株式
東ソーは、取引関係の維持・発展などを目的に取引先の株式を保有しています。毎年、取締役会において、保有目的の適切性および保有に伴う便益や資本コストに見合っているかを確認しています。検証の結果、将来の収益性や取引関係強化などが見込めず、当社の企業価値向上につながらないと判断した株式については、売却を検討することとしています。2023年度においては、売却検討銘柄の内、4銘柄の全数、1銘柄の一部株式の売却を実施しています。
政策保有株式推移および期末残高
区分 | 2023年度 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
取得 | 売却 | 期末残高 | ||||
銘柄数 | 取得価額 (百万円) | 銘柄数 | 売却価額 (百万円) | 銘柄数 | 期末残高 (百万円) | |
非上場株式 | 4 | 151 | 3 | 217 | 77 | 5,315 |
非上場株式以外の株式 | - | - | 1 | 174 | 59 | 42,526 |
上場子会社であるオルガノ株式会社は、水処理エンジニアリングを主な事業としています。当該子会社は、その事業領域の特殊性や企業文化の独自性、さらには自社ブランドの維持・向上や人材採用などの観点から独立性を確保して上場を維持しています。東ソーはハイブリッド経営を標榜するなかで、コモディティ事業の収益変動リスクを補填する事業群の育成・強化に取り組んでいますが、当該子会社の水処理エンジニアリング事業はハイブリッド経営を強化させる事業ポートフォリオのひとつとして重要な役割を担っています。