- CSR担当役員メッセージ
- CSR重要課題に着実に取り組み、サステナブルな社会の実現に貢献していきます
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- 経営におけるCSRの位置付け
- 東ソーはCSRを経営の中核と位置付けており、サステナブルな社会の実現に向けて、環境、社会、ガバナンスに関わる活動にも注力しています。これらの活動は、私たちの事業戦略と密接に結びついており、当社が持続可能な成長を実現するための重要な要素です。
化学メーカーである東ソーグループは、安全・安定生産、安定供給、コンプライアンスの再徹底、持続可能な製品開発による社会への貢献が重要と考えています。これらはCSR重要課題そのものであり、それぞれに着実に取り組むことが私の使命であると認識しています。 - CSR活動の振り返り
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- CSR重要課題について
- 当社のCSR重要課題は中期経営計画の期間に合わせて見直しを行っています。2023年度は2022~2024年度を期間とする活動計画の中間年度にあたり、当初に設定した計画に基づく活動を引き続き推進しました。なお、株主の皆さまとの利益共有を通じた企業価値向上への報酬インセンティブおよび持続可能な社会への貢献を推進する報酬インセンティブを取り入れることを目的として、2024年7月より役員報酬に前事業年度の重要課題のKPI達成度合を連動しました。
9つのCSR重要課題に関わる目標に対し、2023年度は一部が未達成でした。まず国内グループ会社で重大労働災害が発生しており、安全への取り組みは2011年の塩ビモノマープラントの爆発火災事故以降、不断に取り組んできただけに大変残念な結果となりました。また、当社の定義に基づく重大保安事故、重大品質問題も発生しました。こうした事故や問題を踏まえ、南陽および四日市事業所・国内グループ会社における安全評価・品質管理システムの改善により一層取り組んでいきます。
環境分野では主要GHG排出削減テーマの投資判断を継続して実施しました。東ソーグループは、2030年度のGHG排出量を2018年度比で30%削減する目標を掲げ、目標に向けて引き続き取り組んでいます。
ガバナンス分野では国内外のグループ会社向けのコンプライアンス活動の活性化に取り組みました。
人権尊重への対応においては東ソーグループ人権方針に沿ってグループ行動指針やCSR調達ガイドラインの改定を行ったうえで、人権デュー・ディリジェンスへの対応として、まずは当社の事業活動に関係する分野ごとに想定されるリスクの整理から開始しました。 - 事業を通じた社会貢献の見える化について
- 2022年度より新たに「社会課題ソリューション」認定制度を開始しました。2023年度は新たに7製品・技術を認定しました。これからも、事業を通した社会への貢献に取り組みます。また、当社の製品である苛性ソーダ、塩ビ樹脂、イソシアネート(ウレタン)は、産業や人々の暮らしに必要不可欠なエッセンシャルプロダクトです。これらの製品の社会的・環境的インパクトを体系的に整理し、貢献の可視化に取り組みました。
- 今後に向けての取り組み
- 2024年度は次期計画に向けてCSR重要課題の見直しを行う重要な年度であると考えています。
本社管理部門、事業部門および事業所の従業員で構成されたCSR推進連絡会においてグループワークで討議を行い、次期のCSR重要課題、KPI、目標の設定に取り組んでいます。
今後も、ステークホルダーの皆さまの信頼が得られるよう、社会および東ソーグループの持続的な成長に向けて引き続き尽力します。
取締役 常務執行役員
土井 亨
CSRマネジメントの基本的な考え方
気候変動問題や人権問題など、世界規模での社会課題への関心が高まり、課題解決に向けた企業の活動に多くの期待と関心が寄せられています。
東ソーグループは、社会課題解決に貢献する事業活動が、社会の持続的な発展や東ソーグループの持続的成長につながると認識しています。そのため、CSR活動を経営の中核に位置付けてCSR基本方針の下、CSR重要課題を設定し、SDGsをはじめとするさまざまな課題に着実に取り組んでいます。
社長執行役員を委員長とする「CSR委員会」を中心に取り組みを進めています。本委員会ではCSR基本方針の改定、CSR重要課題とKPIの審議・勧告および承認、CSR活動推進のための諸施策の審議および部門間の調整、重要な報告事項および情報開示活動方針の審議などを行い、取締役会に上程しています。
推進体制図
CSR基本方針
東ソーグループはCSR活動を経営の中核と位置付けており、グループ全体でこのCSR基本方針を共有・実践することで、企業理念の実現を目指します。
東ソーグループCSR基本方針
私たちは、企業理念の実現にむけて、以下を基本方針として共有・実践します。
- 事業を通じた社会の持続可能な発展への貢献
- 化学を基盤とした独自の技術を深め、世界の事業パートナーとの協創を通じて、社会課題を解決し、人々の幸福に寄与する革新的で信頼性のある製品・サービスを提供します。
- 安全・安定操業の確保
- 事業活動にかかわる人々の安全・健康の確保と安定操業が、経営の最重要課題であることを認識し、安全文化の醸成と安全基盤の強化に真摯に取り組みます。
- 自由闊達な企業風土の継承・発展
- 働きがいがあり、人権と多様性を尊重する風通しの良い職場環境を育むことで、活力にあふれ、従業員とその家族が誇りを持てる企業風土を実現します。
- 地球環境の保全
- 化学物質管理を徹底すると共に、事業活動が地球環境に及ぼす環境負荷の最小化にバリューチェーン全体で継続的に取り組みます。
- 誠実な企業活動の追求
- コンプライアンスを徹底し、対話と協働を基本とする誠実で透明性の高い企業活動を通じて、ステークホルダーから信頼されるグローバルな企業グループを実現します。
企業理念体系
※2011年11月13日に発生した南陽事業所第二塩ビモノマー製造施設の爆発火災事故を受けて策定された指針
安全改革指針
達成目標
- 二度とこのような事故を起こさない「安全な化学メーカー」となる。
- 従業員が安心して働ける職場とする。
- 地域住民をはじめ社会が信頼して付き合える会社になる。
安全改革指針の要旨
- 社長の決意
- 社長は、安全が経営の根幹であることを再認識し、必要な経営資源を配分するとともに、その決意を全従業員と共有する。
- 安全文化の醸成
- 安全活動の総点検を行い、従業員一人一人が自ら考えて行動する、実効性の高い活動に変革する。
- 情報の開示と活用
- 事業所は、緊急時の状況等について、正しい情報を迅速かつ適切に地域住民に提供する。また、保安・事故情報は、これを確実に有効活用する。
- 教育、訓練の充実
- 技術と安全の教育・訓練をより充実させ、理解度・習熟度に応じた柔軟な教育システムを再構築する。
- 継続的な改革、改善
- 安全改革の活動が一過性のものとならないよう、全ての従業員が今回の事故を忘れず、この安全改革を継続的かつ確実に実行する。