基本的な考え方
東ソーグループは、RC推進体制の下で、環境・安全・健康基本理念に基づき「安全がすべてに優先する」ことを常に認識し、グループの事業活動に関わる人々の無休業災害を目指して、安全を確保するための活動を行っています。
労働災害に至るような不安定な状態、不安全な行動をなくすために「安全の基本動作の徹底」「リスクアセスメントの網羅性の向上」「類似事故・類似労災の撲滅への取り組み」「工事体制の強化」「新技術の活用」の5つを柱とした安全活動を展開し、安全文化の醸成を図ります。
2023年度の実績
東ソーは従業員および協力会社の休業災害発生件数ゼロを目標にしていますが、2023年度は休業災害8件(従業員1人、協力会社7人)が発生し、目標に対して未達となりました。休業災害の原因は、従業員では設備の整備不具合、協力会社では不安定行動や近道行為などによるものであり、再発防止対策として事業所安全衛生委員会を開催し、労災情報を共有化、水平展開を図り、トラブル検討シートなども活用し原因と対策の深掘りを実施しています。今後も作業手順の再確認やKY※の徹底、設備改善などを実施していきます。
またグループ会社では2023年度に休業災害22件(従業員15人、協力会社7人)が発生しました。「事故・労災情報データベース」で情報を共有化するとともに社外安全専門家(中央労働災害防止協会)を活用して安全指導を実施し、再発防止に努めています。
- 危険予知活動
- 労働災害発生人数(休業災害)
- 労働災害度数率
- 労働災害強度率
- 「休業労働災害の型」別 実績
- 【集計範囲】
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東ソー: 南陽事業所、四日市事業所、東京研究センター
安全文化の醸成
5S※活動/RC委員長5Sパトロール
東ソーでは、事業所、研究所が一丸となって5S活動に取り組んでいます。事業所内を常に「整理・整頓・清掃」された状態に保つことで、プラントや設備の変調にも気付きやすくなります。
南陽事業所では毎月第3水曜日を「事業所安全活動の日」と定め、当日は各部門で一斉清掃も行い、本館管理部門は地域貢献の一環として事業所構外の清掃活動を実施しています。
四日市事業所では、総合パトロールのエリアを10カ所から12カ所に編成し直し、一人当たりの確認エリアを小さくして精度を高めることで、網羅性の向上に取り組んでいます。現場の不安全箇所を改善したほか、良好な事例も抽出し水平展開も図りました。
また、安全活動を活性化させるためには、経営陣が現場の安全活動の優れたところや、改善すべき課題について評価することも重要であるとの考えに基づき、RC委員会委員長による5Sパトロールを行っています。2023年度は、5S活動優良表彰対象職場(南陽事業所3職場、四日市事業所2職場、東京研究センター1職場)に対して、RC委員会委員長から表彰状が授与されました。こうした取り組みは、各職場におけるモチベーションアップにもつながっています。
- 整理・整頓・清掃・清潔・躾を行うことで、職場環境を維持改善する活動。
KY活動
各事業所、研究所にて独自の活動を実施し、KY実践の定着化を目指しています。
南陽事業所では、ワンポイントKYT※1を徹底強化した実績を基に、非定常作業前にプルダウン式危険予知を行うように基準を改定し、実践型KYのブラッシュアップを図っています。四日市事業所では、「1R特化型KYT※2」を実施し「1人KY※3」などの徹底強化に取り組んでいます。その他にも、外部講師を招き、新入社員を対象にKYTの必要性をテーマとしてKYT研修会を開催しました。東京研究センターでは「1人KY」の定着化を推進しています。また、同室のメンバーで「作業前KY※4」を行うなど、情報共有し安全意識の向上に努めています。
それぞれの拠点において、継続的な活動により自主的に取り組む姿勢が根付いてきています。
- 短時間かつ少人数で行う現場で実践的な危険予知を行うための手法。
- 危険源を抽出するスキル向上のための訓練。
- 作業者一人ひとりが、それぞれの持ち場でこれから作業をはじめるというときに個人単位で行う危険予知活動。
- 同じ実験室のメンバーが当日の作業内容を報告し、メンバー間でKYを実施することで情報共有する活動。
グループ全体での取り組み
グループ全体での保安防災・労働安全衛生の強化を目的に、情報共有のシステムとして「東ソーグループ安環ネット」を構築し、法改正、事故・労災などの情報を共有しています。地震・津波対策の推進に関わるアンケート調査を実施し、対応状況の確認を行いました。今後も毎年実施する予定です。その他にも情報交換や交流を目的に、グループ会社の安全衛生管理担当者が一堂に会する「安環ネット会議」を年2回行っています。2023年度は外部講師による環境教育(2回)、安全レベル向上のため労働安全衛生教育(4回)を実施しました。
また、東ソーの本社環境保安・品質保証部の担当者がグループ会社を訪問し、現場確認や意見交換などを行う「安全環境交流会」を7社に実施しました。
他にも、従来とは異なる視点での気付きを得る機会を設ける目的で、社外第三者による現場指導の実施も継続しています。
- Topics
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- 宮崎県産業安全衛生大会「優良賞」受賞
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東ソー日向株式会社は、令和5年度宮崎県産業安全衛生大会で「優良賞」を受賞しました。この大会は事業者および労働者が一体となり、労働災害防止の必要性を深く認識し、職場での着実な安全衛生活動の実効を図ることを目的に開催しています。全従業員に向けたKYTなどの安全研修の実施や安全キーパーソンの育成などの活動により、労働災害が発生していないことが表彰を受けました。
安全確保に向けた取り組み
工事体制の強化
東ソーは、「工事体制の強化」の取り組みについて、協力会社(工事会社)が関係する事故や労働災害においても対策を進めています。
「工事体制の仕組み検証シート」にて、発生した労災を基にシステム上の欠陥の有無を検証しました。検証シートを運用するなかで、工事管理システムを継続的に改善していきます。また、南陽事業所では東ソーおよび協力会社の相互活動(実際に使用した東ソー独自様式の「リスクアセスメントシート」の事例発表とフォローアップ、記載例の配布など)により、リスクアセスメントレベルの向上に取り組みました。四日市事業所では、労働災害の発生要因となったポイントを「現場パトロールの視点(あるべき姿)」に追記し、入構者教育の資料の見直しを実施しました。
- 入構者教育補足資料表紙(四日市事業所)
- 入構者教育補足資料の一部(四日市事業所)
事業所内請負作業の安全確保
南陽および四日市事業所内の包装・充填などの構内請負作業を委託しているグループ会社の東ソー物流(株)では、協力会社の労働災害撲滅に向けた活動を推進しており、危険箇所の調査や、製造部門と連携して安全確保のための対策を順次実施しています。南陽事業所では、全40職場で構内請負作業の安全管理強化活動を開始しました。また、東ソーとの定例会議を毎月開催し、請負作業の業務フローや所掌範囲を明確にすることで、危険箇所の抽出・改善を進めるとともに、全職場に課題解決体制を構築し、継続的に改善を進めていく予定です。四日市事業所でも2023年度よりモデル職場を選定して活動を開始しています。南陽および四日市事業所とも東ソーと東ソー物流が合同パトロールを実施しており、声を掛け合いながら現場の声を拾い、現場を確認しながら問題点を共有し改善を協議しています。また、東ソー物流にて、現場パトロールの視点を強化することで、労働災害の撲滅に取り組んでいます。