四日市事業所の基盤強化
東ソーは、四日市事業所において、エチレンプラントの増強工事に着手しているが、このたび、4万キロワットの発電能力を有するガスタービン発電設備をエチレンプラントに設置、併せてエチレンプラントの省エネルギー化を図る。また、その電力を利用して年産9万5千トン(苛性ソーダ換算)のイオン交換膜法電解設備を建設する。完工は99年6月を予定、設備投資額はエチレンプラント増強工事(約70億円)と合わせ約150億円。
今回設置するガスタービン発電設備は、発電とともに発生する排ガスを既存分解炉の燃焼用空気と熱交換し、また、新規分解炉の燃焼用空気として使用することができるインテグレーション・システム。
従来と比べ1割程度の省エネルギーも実現する。
一方、電解設備を増強することにより、同事業所での苛性ソーダの生産能力は年産18万4千トン、塩素の生産能力は年産約16万トンとなる。同事業所では年産24万トンの塩化ビニルモノマーを生産しているが、今回の増強で事業所内での塩素の完全自給体制が整うこととなる。(注;塩化ビニルモノマーの原単位は塩化ビニルモノマー1に対し塩素は約0.6)
苛性ソーダについても、発電所の排煙脱硫用としての利用や南陽事業所で増強工事を行っているエチレンアミンの原料としての使用など自家消費を拡大、さらには、オーストラリア、アジア諸国への輸出拡大に向け、新たに1万5千立方メートルの苛性ソーダ輸出用タンク2基を広島県に手当てするなど対応していく。
東ソーはクロール・アルカリ事業を国内を含めたアジア市場に主眼を置いて展開しており、今後も国際競争力を有する事業として一層強化していく。