省エネタイヤ向けシリカ生産設備が完工
日本シリカ工業は、南陽工場(山口県新南陽市)で建設を進めてきた、わが国初の省エネタイヤ向けシリカ(ホワイトカーボン)専用生産設備が、この度完成し、4月17日、竣工式を行ないます。
完成した設備は第一期工事分で生産能力は年産1万トン。この増設により、タイヤ向け供給能力は既存設備分とあわせ、約300%になります。さらに第二期工事として 2003年春完工予定で1万トンを増設する計画です。
投資金額はあわせて20億円程度になります。
環境先進国であるヨーロッパでは、シリカ入りタイヤの普及率は乗用車では7~8割にもなっていますが、これは、シリカをタイヤに加えることによって、タイヤと路面との転がり抵抗が減少し、自動車の燃費を5~6%改善させる省エネ効果があるためです。
日本の需要は現在、年間約1万5千トンですが、環境に対する意識の高まりとともに省エネタイヤ向けシリカの需要が急増しており、数年後には倍増の同約3万トンの需要が見込まれています。
あわせて、タイヤにシリカを添加することは、濡れた路面での走行安定性を向上させる効果もあります。
日本シリカ工業では、省エネタイヤ向けシリカを生産している設備で、他用途向け シリカも併産しているため、設備はフル稼動しており、タイヤ向けの需要増に対応しきれない状況にありました。今回の専用設備の完成で、各種用途向けのシリカ生産体制が整備され、事業の強化・拡大を図っていきます。
【日本シリカ工業株式会社 概要】
本社 : 東京都中央区京橋3-2-4
社長 : 高須 哲三郎
設立 : 1956年10月
資本金 : 4億5千万円(東ソー80%、三井物産、ハクスイテック各10%)
売上高 : 48億円(2000年3月期)