東ソーは、富山工場で生産している合成ゼオライト(ゼオラム(R))と体外診断薬(AIA試薬)の生産部門をそれぞれ分社化することを決定しました。
分社化によって設立するゼオラム(R)とAIA試薬の生産子会社は、「有限会社 東ソー・ゼオラム」と「有限会社 東ソー・エイアイエイ」で、両社とも東ソーの100%子会社として11月1日から事業を開始します。なお、営業活動は引き続き当社で行ないます。
ゼオラム(R)事業は、東ソーが展開するゼオライト事業の源流であり、蓄積された技術およびノウハウを基に特徴ある製品を開発、国内市場を中心に展開しています。今回の分社化は、コスト構造を強化し、市場ニーズに素早く対応できる生産体制を構築できることから、ゼオラム?事業および東ソーグループのゼオライト事業全体の強化に繋がります。
一方、AIA事業は「装置」と「試薬」の専用システム事業であり、当社独自のランダム・アクセス方式や凍結乾燥試薬により、差別化を図ってきています。しかしながら、欧米大手企業との競合激化や医療費の抑制など事業環境は厳しさを増す状況です。今回の新会社の設立により、AIA試薬のコスト競争力を高め、あわせて当社100%出資の「装置」製造子会社である「東ソー・ハイテック」との連携を強めることで、AIA全体の事業力を強化します。
また、富山工場で生産している有機中間体事業および金属ソーダ事業については事業性などを検討した結果、富山工場での生産を中止することに決定しました。有機中間体につきましては南陽事業所にある100%子会社の「東ソー有機化学」に生産を集約し効率化を図ります。金属ソーダおよびその誘導品は、将来的に事業性が見出せないとの判断から撤退します。
これにより、1953年に操業を開始した富山工場は、「東ソー・ゼオラム」、「東ソー・エイアイエイ」および1988年に操業開始したセラミックス焼結体などの製造会社「東ソー・セラミックス」を加え、スペシャリティ事業3社体制で再出発することになります。
現在、東ソーは、収益力の安定化および向上を目指し、事業構造改革を進めています。一方で、昨今の変化の早い環境下、随時、各事業の存在理由や事業性についての再確認を行っています。今回の富山工場における各事業の見直しは、この一環によるものです。