2007.12.07

ニュースリリース

四日市事業所でハイシリカゼオライトとジルコニア粉末の新規プラントを建設

~ハイブリッド経営の加速 および 四日市事業所の基盤強化~

東ソーはこの度、四日市事業所(三重県四日市市)において、ハイシリカゼオライトおよびジルコニア粉末の製造設備を新規に建設することを決定しました。両プラントとも本年12月に着工し、2008年12月までに完工、直ちに営業運転を開始する予定です。
これにより、生産能力はハイシリカゼオライトは倍増、ジルコニア粉末で約50%増となります。
投資金額は2つの設備で80億円の予定。

ハイシリカゼオライトおよびジルコニア粉末は、当社の機能商品事業の主力商品のひとつで、現在は南陽事業所(山口県周南市)に生産設備を有しています。今回の四日市事業所での新規プラント建設は、今後の大幅な需要拡大に対応するものであると同時に、高シェア商品における、一拠点生産体制のリスク回避を目指すものです。

東ソーのゼオライト事業は、強い吸水性能および気体吸着性能を有し、多分野にわたって乾燥剤および吸着剤として使用されている「ゼオラム(商品名)」のプラントを1969年に旧富山工場(現 東ソー・ゼオラム)に建設し開始、1986年には主に石油精製や石油化学分野の触媒として使用されるハイシリカゼオライト「HSZシリーズ(商品名)」のプラントを南陽事業所に建設、総合ゼオライトメーカーとしての地位を築いています。
こうしたなか、ハイシリカゼオライトは石油分野の触媒用途に加え、自動車排ガス処理触媒や揮発性有機化合物(VOC)の吸着除去剤など環境浄化分野での用途が拡大、環境規制の更なる強化が謳われる中、今後の大幅な需要拡大が見込まれています。

 東ソーのジルコニア事業は、1988年にファイン・セラミックス用ジルコニアとしては世界初の商用プラントを南陽事業所に建設、現在に至るまで、その品質優位性から圧倒的な世界シェアを有しています。東ソーのジルコニアは、イットリア安定化ジルコニア(ジルコニアに5%程度のイットリアを添加)というタイプのジルコニア粉末で、従来のセラミックスの弱点である脆さを克服した画期的なファイン・セラミックスとして、「高強度・高靭性ジルコニア」とも呼ばれ、各種構造部品の用途に使用されています。   
 特に、電子部品(携帯電話などに使用される薄層コンデンサ)製造に使用される粉砕ボールや光ファイバーの接続部品(フェルール、スリーブ)、また審美性にも富むため歯科材料(ブリッジ、クラウン)や腕時計部品(フレーム、バンド)など、高機能・高品質が要求される用途での需要が拡大しています。

当社は、今回の増強により機能商品事業の強化を加速させるとともに、併せて四日市事業所の基盤強化も図っていきます。