2022.10.07

ニュースリリース

均一な細胞塊を大量かつ簡便に形成可能な「2.5次元培養器材®」を開発~創薬・再生医療の発展に貢献~

東ソーは、創薬及び再生医療に貢献する「2.5次元培養器材®(開発品)」を新規に開発いたしました。本培養器材は、均一なサイズの細胞塊を大量かつ簡便に形成可能なことが特長です。均一な円形の細胞接着領域が多数形成されており、細胞が自発的に細胞接着領域に接着する特性を利用しています。
当社は、本培養器材を世界で最も歴史のあるバイオテクノロジー展「BioJapan」に出展いたします。(詳細はページ下部参照)

        「2.5次元培養器材®
      (細胞接着領域 3万個/plate)                       細胞塊形成イメージ
  

創薬や再生医療の分野では、iPS細胞やES細胞から作製したミニ臓器を活用する研究が盛んに進められています。ミニ臓器を実用化するためには、均質な細胞塊を効率良く形成する技術が求められています。

従来の培養方法の一つである3次元培養※1では、形成する細胞塊のサイズがばらつき、均質な細胞塊を大量に得ることに課題がありました。また、浮遊した細胞塊を傷つけないように細心の注意を払う必要がありました。
本培養器材は、均一な円形の細胞接着領域にのみ細胞が接着するため、器材表面に細胞塊を接着させた状態で取り扱うことが可能となり、培地交換などの作業負荷を著しく軽減できます。また、均一なサイズの細胞塊を大量に形成するため、分化誘導※2効率の安定化が図れます。

本培養器材は、iPS細胞や間葉系幹細胞、ガン細胞等の様々な細胞に適用可能で、ヒトiPS細胞の細胞塊から神経や心筋への分化誘導や、ガン細胞の細胞塊を用いた抗ガン剤薬効試験にも応用可能であることを確認しています。
細胞塊を均一、大量、簡便に形成可能な「2.5次元培養器材®」を展開することで、創薬や再生医療の発展に貢献していきます。

  • 3次元培養…細胞が接着しないように表面処理された培養容器を使用して、浮遊した状態の細胞を培養し、細胞塊を形成する方法

  • 分化誘導…細胞を培養する条件を制御することによって目的の細胞に変化させること

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