PEOPLE
05
革新的プロセスを
自らの発想、自らの設計によって、
安定稼働へと導く醍醐味。
沼田 健吾
技術センター 生産技術室
2011年入社
※掲載内容は取材・撮影時のものです。
PROFILE
入社から1年間は製造部門、その後、現在までは技術センターに所属。製造部門では、プラントの現場で、日々安全・安定運転や生産性改善等の業務に携わる。続く技術センターでは、能力増強プラントの基本設計、既設プラントの能力解析、流体解析を用いた機器仕様の検討業務などに携わっている。
着実にプラントエンジニアとしての
経験を重ね、
自信も芽生え始めています。
東ソーへの入社の経緯は?
大学時代の専攻は化学工学ですが、就活中は化学業界に的を絞らず様々な業界の会社説明会に参加し、リクルーターの方々とお話させていただきました。その中で「この会社に入って、自分の専攻や能力がどのように活かされ、どのような成長ができるのか」を、いちばんリアルにイメージできたのが、東ソーでした。東ソーの社員の方々の話が圧倒的に面白く魅力的で、そして何より若いうちから大きなチャレンジテーマを与えられ、飛躍的なスキルアップを果たせるという点において東ソーが抜きん出ており、それが決め手になりました。
実際に飛躍的なスキルアップは果たせましたか?
若手にも次々とチャレンジテーマが与えられて、それらをクリアする毎にスキルアップしていけるのは本当です。私自身も「こんな重要なテーマを新人の私に?」というケースもありましたが、先輩方のフォローを受け、試行錯誤しながらもクリアしていくうちに、着実にプロセスエンジニアとしての経験を重ね、自信も芽生え始めています。
新規プロセスの設計というチャンスに
めぐり合うこと自体が幸運であり、
ぜひこの絶好機を自らの成長に
つなげたいと思っています。
現在向き合っているテーマを教えてください。
詳細は明かせませんが、研究部門にて開発・製造に成功している新規グレードを量産するために必要な新たなプロセスの設計・検討を行っています。既存のプロセスの問題点を踏まえて、その改善策を考え、なおかつより安全で、生産性が高く、さらには安価なプロセスを提案する必要があり、大変ですが非常にやりがいのあるテーマと向き合っています。新規プロセスの設計というチャンスにめぐり合うこと自体が幸運であり、ぜひこの絶好機を自らの成長につなげたいと思っています。
仕事の難しさは?
研究段階のラボスケールでの製造を、そのままプラントスケールの製造に移行すればいいというわけではありません。いわゆるスケールアップには、様々な予期せぬ現象が起こり、それらの解決もしながら、完璧なプロセスへと導かなければなりません。基本的にはシミュレーション技術を中心に検討を進めますが、必要に応じて実験なども繰り返しながら、最適解を探ります。方法も一つではありません。複数の可能性を探りますが、時間は限られます。この点が潤沢に時間を使える大学の研究とは違うところで、短期集中での設計パフォーマンスを求められます。ここがいちばんの難しさかもしれません。
探究心が尽きないのが技術系の性分なのでは?
そうですね。知的好奇心が先行してしまい、ついつい深みにはまる方向に走ってしまいがちですが、仕事ではそれらの思いを断ち切ることの重要性を学びました。でも、限られた時間の中で、できるだけ革新的なプロセスを!ということは、ぎりぎりまで追求したいと思っています。
研究視点や製造視点を合わせ持ち、
より多角的多面的に考え、今ではプロセスの
最適解を導きだせるようになっていると思います。
仕事において手応えや醍醐味を感じるのはどんな瞬間ですか?
プラントエンジニアニアリングの仕事は、基本的にそのほとんどが他部門(研究・製造)と連携して行う業務です。既存プロセスの問題点を製造部門にヒアリングして、そこから改善策を練り、それを研究部門が開発した新規グレードを製造するための新規プラントに反映するには、研究・設計・製造の三位一体の連携がなければ成功しません。製造へのヒアリングが甘ければ、改善策も中途半端なものになるし、研究開発者の意図を受け取る感度や理解力がなければ、そこに革新的なプロセスは生まれません。だからこそ私たちが主体的に動いて、部門連携による効果の最大化を目指すべきなのです。
連携はうまくいっていますか?
最初は指示待ちのスタンスで仕事をしていたせいか、連携の効果は少なかったかもしれません。でも、主体的に動けるようになってからは、研究視点や製造視点を合わせ持ち、より多角的多面的に考え、今ではプロセスの最適解を導きだせるようになっていると思います。
今の自分に足りないものは?
圧倒的に英語力が足りません。将来的に海外のプラントエンジニアリングにも関わってみたいという目標があるので、今から国際的なコミュニケーション能力に磨きをかけたいと思っています。
海外で新規プラントを立ち上げる際などに、
その一大プロジェクトを統括するような立場で
活躍できたら、と考えています。
3年後の自分を、どうイメージしていますか?
新規プラントの増設案件について、自ら建設にも携わり、その後の商業運転開始までの一連の工程に関わり、ゼロからプラントを立ち上げる経験をしたい。そして将来的には製造業務・エンジニアリング業務・プラント建設業務の全てにおいての経験値を積み上げ、例えば海外で新規プラントを立ち上げる際などに、その一大プロジェクトを統括するような立場で活躍できたら、と考えています。
身近に目標とする人物はいますか?
入社1年目に出会った製造部の先輩が、目標です。技術センターにおいてプラントエンジニアリング経験を積み、さらに製造の現場も長く、その圧倒的な経験値と知識量の厚みに、ただただ驚き、感動しました。視点も考え方も、見えている世界も全く違っていて、「私が目指すのは、この人だ!」と思えたのです。私が技術センターを目指すきっかけになった存在でもあります。
少しは、その目標に近づけましたか?
少しずつですが、着実に近づいていると思います。今でもその先輩から製造現場からの重要なヒントをいただいており、私の設計パフォーマンスの支えとなっています。これからも彼を目標としながらも、いつか彼を超えて、さらには海も超えて、国境も超えて、グローバルに活躍できるエンジニアを目指していきます。