研究・技術報告

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2024年

  • 巻頭言_研究技術開発への思い(514.9 KB)
  • 総合報文_A Novel Liquid Hafnium Precursor for HfO Thin Film Formation(5.5 MB)

    化学気相成長法(CVD)および原子層堆積法(ALD)用の新規なハフニウム前駆体として、(N,N’-ジイソプロピルアセトアミジナト)トリス(ジメチルアミド)ハフニウム[Ts-Hf3]を提案する。メモリ半導体[DRAM]のキャパシタ構造における微細化および三次元化の進行により、高い縦横比を持つ構造体へ、均一なHfOx薄膜をCVD/ALD可能なハフニウム前駆体が要求されている。

    本錯体は、該プロセスに使用する上で重要な物性である、良好な蒸気圧と熱安定性を有し、公知のアミド系前駆体よりも高い熱安定性を示す。Ts-Hf3とO2を用いたCVDでは、140~400℃の広い温度範囲で、HfOx薄膜の形成を達成した。O3を用いたALDでは、高い縦横比(20)を持つ段差構造体へ、HfOx薄膜を成膜した。Ts-Hf3は99%の段差被覆性を示し、公知の前駆体[CpHf(NMe2)3](86%)に対する優位性を実証した。

  • 報文_インクジェット印刷プロセス用撥液バンク材の開発(17.3 MB)

    近年、OLED、量子ドット(QD)ディスプレイ、マイクロLEDなどの次世代ディスプレイの製造プロセスにおいて、インクジェット印刷(IJP)プロセスが注目されている。IJPプロセスの導入に伴い、不要な部分へのインクの拡散を防ぎ、正確な画素パターンを維持するために、撥液バンク材の開発が必要となっている。この材料には高い撥液性と微細なパターン形成が要求される。最近、我々は一般的なフォトリソグラフィプロセスに適合する撥液バンク材を開発した。この撥液バンク材はネガ型光硬化性樹脂であり、一般的なフォトレジストと同様の塗布・露光・現像工程で、開口部を介した微細な格子パターンの形成が可能である。

    本報告では、撥液バンク材の特徴とパターニング性能について述べる。さらに、我々は撥液バンクから形成された微細な画素パターンにQDインクをインクジェット印刷し、画素内における液滴の濡れ性と色変換を実証することでディスプレイ用途の撥液バンクとしての機能を明らかにした。

  • 報文_タンパク質言語モデルを用いた有効変異の効率的スクリーニング手法(632.9 KB)

    進化分子工学手法によるタンパク質の機能改良は産業・医療の分野を中心に広く用いられる。近年では進化分子工学手法に機械学習を組み合わせた有効変異の予測が盛んに研究されている。特にアミノ酸配列を文字列と仮定し、自然言語処理分野で用いられるモデルを適用したタンパク質言語モデルは、タンパク質の安定性や酵素活性などの変異効果予測に用いられる。しかし、これまでの研究では進化分子工学の実験操作に即した有効変異探索手法が提案されてない。

    この問題を解決するために、タンパク質の変異位置に着目したモデルを示した後に、進化分子工学手法の実験操作に対応した有効変異の効率的スクリーニング手法を提案する。従来のモデルでは自然言語処理分野に習ったEmbeddingで実験値を予測していた。本モデルでは変異位置に着目したEmbeddingを用いることで予測精度が向上した。さらに、タンパク質は1部位につき1変異しか集積できない特定を活かしてアクティブサンプリングすることで効率よく探索できる手法を示す。本手法により従来の進化分子工学手法よりも効率的なスクリーニングが可能になった。このようなスクリーニング手法は、タンパク質の機能改変に広く用いられ、新規有効タンパク質の開発を加速させる可能性がある。

  • 報文_ウレタンフォーム材料の振動特性の予測モデル構築(3.3 MB)

    ウレタンフォーム材料の振動特性を広く説明できる新たな物理モデルを提案する。近年ウレタンフォーム材料に求められる機能は多様化しており、そうした機能の一つに自動車用シートクッション向けフォーム材料における振動の抑制がある。ウレタンフォームを特徴づける代表的な物性値である弾性率と通気度を、物理モデルによって振動特性に結び付けようという試みは以前から行われてきた。しかし、今回我々が作製した低通気度のウレタンフォームは従来の物理モデルによる予測とは異なる振動特性を示した。これはフォームの変形に対して内部の通気が追い付かない時に発生する圧力を、従来のモデルが考慮していないからと考えられる。

    本研究では、ステップひずみ下における通気による内部圧力の緩和過程を計算し、変位加振下での運動方程式を解くことで、通気による圧力緩和がある系における振動特性の解析解を得た。その結果、従来モデルでは予測できなかった高周波領域のピークを再現することに成功し、これがフォーム内部の空気との共振によるものであることを示した。弾性率、通気度などの制御しやすい物性値と振動特性の関係を記述する本モデルの活用により、機能性ウレタンフォーム開発の加速が期待される。

  • 報文_亜臨界分解-質量分析によるポリウレタン原料の解析(4.1 MB)

    ポリウレタン(PU)はウレタン結合を持つポリマーであり、イソシアネートとポリオールを主原料として合成される。多くの場合PUは溶媒に不溶であるため、その詳細な構造解析には酸・塩基試薬による化学分解法とそれに続く各種分析が従来より行われている。しかしこの手法は十時間以上の分解反応や分解物の分離操作が必要であり、より迅速な分析方法が望まれる。本研究において我々はこの課題を解決するため、PUの亜臨界分解手法を確立した。亜臨界分解は反応時間が短く、また分解物の分離操作が不要であるため、簡易法として有用と考えられる。

    さらに、PU原料のスクリーニング解析法として、亜臨界分解とそれに続く質量分析法を検討した。PUを亜臨界条件下で分解した分解液をマトリックス支援レーザー脱離イオン化-飛行時間型質量分析(MALDI-TOF/MS)またはエレクトロスプレーイオン化(ESI)-TOF/MSに供することで、検出したイオンからイソシアネート種、ポリオール種を推定可能であった。ポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリカーボネートポリオールについては、不完全な分解を行うことでオリゴマーイオンを検出し、構成成分を推定可能となった。本分析法はPU主原料の簡易解析に有用と考えられる。

  • 報文_新規相溶化技術を利用したポリオレフィンへの接着(7.3 MB)

    ポリエチレンやポリプロピレンといったポリオレフィンは世界で最も消費されているプラスチックであり、欠かすことのできない材料である。これらポリオレフィンは極性官能基を持たないために接着が困難であることが知られており、産業的に重要な課題である。本稿ではポリウレタンを用いた未処理ポリオレフィンへの新しい接着方法について説明する。

    これらのポリマーは熱処理によって相互拡散し、界面で強固に接着する。熱処理をポリオレフィンの融点以上でおこなうと接着界面に針状ポリオレフィン結晶を形成し、まるで釘を打った様に物理的に結合する。この「釘打ち接着」界面での破壊メカニズムをmodified copper-gridテクニックによる透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた直接観察によって明らかにした。熱処理をポリエチレンの融点未満でおこなうと、ポリウレタンはポリエチレンのアモルファス部分へと浸透し、接着界面にこれらポリマーが相溶した混合層を形成する。その結果、これらポリマーの絡み合いによって強固に接着する。ポリウレタン中の非極性ブロックと極性ブロックのバランスを最適化するとポリオレフィンとの相溶性が向上し、非常に強固な接着が達成できる。

  • 技術資料_Si添加窒化ガリウムスパッタリングターゲットを用いた成膜と評価(2.6 MB)
  • 技術資料_Ruthenium / Cobalt Precursors for Area−Selective Deposition(1.8 MB)
  • 技術資料_Development of novel mullite-fiber-based ceramic matrix composites with high mechanical properties(8.3 MB)
  • 技術資料_抗体医薬品分析用FcRn アフィニティカラムの開発(1.7 MB)
  • 技術資料_東ソー自動グリコヘモグロビン分析計HLC−723®GR01β−サラセミアモードの開発(30.6 MB)
  • 技術資料_高耐久性無溶剤型軟質ポリウレタン樹脂(2.7 MB)
  • 技術資料_低温硬化ブロックイソシアネート(1.6 MB)
  • 技術資料_AFM−IR を用いた高分子材料のナノ構造解析(11.7 MB)
  • 投稿論文要旨(1.0 MB)
  • 講演リスト(924.9 KB)
  • 特許情報(1.0 MB)
  • 製品紹介(19.8 MB)

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