PEOPLE
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研究・製造・営業による
三位一体の取り組みで、
ビッグビジネスを動かす醍醐味とは?
渦原 泰平
有機化成品事業部 アミン部
2009年入社
※掲載内容は取材・撮影時のものです。
PROFILE
南陽事業所の経理グループで固定資産管理及び子会社経理の損益管理を手がけ、その後、有機化成品事業部の損益管理を担当。続いて語学研修でカナダへ。そして帰国後は、スペシャリティ製品群に位置する有機化成品事業部でポリウレタン用触媒の営業を行っている。
産業界が求める最先端テーマに
関わるようになって改めて社会を下支えする
東ソーに入社して良かったと感じています。
なぜ化学業界へ?なぜ東ソーへ?
社会を下支えする存在であること、海外で働けることが会社選びの軸でした。そんな中、商社・化学メーカーを中心に会社訪問を行い、最終的に辿りついたのが東ソーです。今後40年間にわたって働く場所ですから、自分の目で見て、感じて、ここだ!と思える企業を徹底的に探ろうというスタンスで、精力的に活動しました。決め手はお会いした社員の方々の印象で、仕事に向き合う姿勢、志の高さ、そして人柄という点で最も共感できたからです。
入社後も印象は変わりませんか?
変わりませんね。関わってきた全ての先輩たちに仕事を教わり、導かれて、今の私があります。そして何より彼らの活躍ぶりを通じて、東ソーが日々向き合っている“社会問題を解決するテーマ”や“産業界が求める最先端テーマ”の重要性を知り、それらのテーマに微力ながら自分も関わるようになって改めて社会を下支えする東ソーに入社して良かったと感じています。
自分の懐に新規営業案件の種を多く持ち、
次にこれが、次にこれがという形で新たな提案を
出していけるよう心掛けています。
現在、向き合っているテーマを教えてください。
スペシャリティ製品群に位置する有機化成品事業部の中で、ポリウレタン用触媒の営業を行っています。ソファー材やクッション材などになるポリウレタンの製造時に、合成反応速度を速めて優れた物性へと導くための触媒で、私の担当エリアは国内及び米国、台湾のメーカーです。既存グレードの生産計画の調整をしながら、新規グレード採用のための営業アプローチを行っています。
仕事の難しさは?
入社から5年間、経理の仕事を通じて、東ソーのビジネスの流れ、東ソーの強み、利益構造などは理解していたつもりですが、今こうして自分が営業としてビジネスの最前線に立ってみると、化学ビジネスの難しさに次々と直面します。ポリウレタン触媒の営業はルート営業ゆえ、歴代の先輩たちが築き上げてきたビジネス基盤を受け継ぎます。しかしながら、その基盤に胡座をかいていると、ときに全てを失うケースもあります。
血の気が引くほどの大失敗エピソードがあると聞きましたが?
そうですね。今、思い出しても血の気が引きます(笑)。ある主要なお客様との取引がゼロになって、私の予算の半分以上が未達となってしまったことがありました。グレード変更のタイミングで競合他社に取引の全てを奪われてしまったのです。東ソーの製品は優れた特性や品質に定評があり、多少コストが高くても採用されるはず、という想いがどこかにあり、競合他社の攻勢を知りながら、大丈夫だろうという慢心があったのだと思います。
失敗から得た教訓はありますか?
自分の販売予算が主要1社に偏りすぎていたこと、またそれに胡座をかいていたこともあり、温めている営業案件が極めて少なかったことは大きな反省点です。今回のような最悪なケースも想定して、自分の懐に新規営業案件の種を多く持ち、一つの取引を失っても、次にこれが、次にこれがという形で新たな提案を出していける状況にしておくことを常に心掛けています。
研究・製造・営業の三位一体の強みを
お客様にアピールすることで、
盤石の取引状況をつくるというスタイルを
貫いています。
その教訓によって営業スタイルは変化しましたか?
以前は、営業はお客様に製品をつなぐ橋渡し役であり、将来の販売戦略の絵を描く脚本家であるというイメージを抱き、どこか他人事のような感覚で動いていました。でも、それでは先輩たちから引き継いだビジネス基盤を大きくすることはできません。もともと触媒ビジネスは、研究・製造・営業の三位一体の取り組みがうまく機能しないと成り立ちません。特に新規グレードの提案は、技術的要素が大きく、私たち営業が研究者を動かさなければ何も始まりません。また、製造をコントロールして、一つの量産グレードをジャストインタイムで届けられる状況を維持しなければお客様からの信頼を得られません。だから今は、全ての案件を“自分事”として捉え、自らが主導力を発揮して研究・製造・営業の三位一体の強みをお客様にアピールすることで、盤石の取引状況をつくるというスタイルを貫いています。
営業の成果は上がっていますか?
はい。着実に上がっています。営業の最前線で自ら先陣を切って果敢に戦おう!という意識を持つようになってからは、お客様との関係も変化しつつあります。“渦原という営業は単なるルート営業じゃない。触媒のスペシャリストとして信頼できる”という評価を少しずつ得て、自身のプレゼンスは高まっていると思います。数字も着実についてきています。もちろんまだまだ営業経験が浅く、スキルアップ課題は沢山ありますが、誰よりも深く、深く考え、お客様と向き合っているという意識だけは強く持ち続けようと思っています。
営業キャリアの海外での活躍スタイル、
その新たなモデルケースになるような存在を
目指したいと思っています。
3年後の自分は? 明確にイメージできるビジョンはありますか?
有機化成品事業部の柱になる製品を生み、それを取引の柱になっているお客様との実商に結びつけ、現在の販売実績の2倍を達成しているというイメージをしています。また、担当エリアである米国や台湾におけるビジネスアプローチも変えていきたい。現状、現地の販売代理店への戦略支援が中心ですが、できれば自ら現地の営業最前線にも立ちたい。それこそ海外市場でも“自分事”として動き、自ら市場開拓、市場創造していけるような活躍ができたら、と考えています。
カナダでの語学研修の成果を活かすビジョンは?
もちろんイメージしています。トーソー・アジアかトーソー・シャンハイに赴き、そこで新たなビジネスの流れをつくりたいですね。挑むからには前例を超える何かを残したい。営業キャリアの海外での活躍スタイル、その新たなモデルケースになるような存在を目指したいと思っています。